突然に近くから声が聞こえて、初めて私は通学路を通って家に帰ろうとしていたことに気がついた。 『習慣』というものに、軽い恐怖を覚える。 そして、今の台詞……。 ……いいや、歌詞。 今のは、何? まるで、心の中まで見透かされているような。 私の言いたいことをそのまま言ってしまった。 私が声に出来なかったことを……。 ゆっくりと顔を上げて、声の主を探す。 「……顔を上げて」