将人のその言葉が引き金となって、次いで話し出す私たち。 「よろしく、深樹斗」 「深樹斗、よろしくね」 ……名前って、不思議だ。 名前で呼ぶだけで、距離がすごく縮まる気がする。 「珠月。倫生。将人。……よろしく、お願いします!」 一人ずつ名前を呼んで、本当に嬉しそうに笑う深樹斗。 それにもちろん笑顔で答える私たち。 「……さて、バンド名も改名しなきゃなぁ」 少し意味深に笑いながら、そう言った倫生。 その笑顔の意味は、まだ私には分からなかった。 恐らく、将人にも、深樹斗にも。