「……声」



自分の声を確かめるかのように、ゆっくりと話す。


「お前の声で、あいつら見返してやれよ」


立ち上がり、親指で廊下を指し示す。


倫生も、何かいいことを思いついたかのようににやりと笑う。





「俺たちの仲間になってさ」





それを聞いたとたん、僅かに楮畑くんの目に涙が浮かんだのが見えたんだ。


でも彼はそんな素振りは見せずに、大きく頷いた。



「よろしくな、深樹斗」