退屈、って何よ。


ガラじゃない、って何よ。



それでも私は本気で好きだったのに……!



……そう思って、初めて気がついた。




  …………ああ、もう過去形なんだ……。




紅映が行った方向をしばらく見つめ、何分経ったか分からなくなった頃、疲れと重力に身を任せ、私はその場にしゃがみこんだ。


グラウンドの裏道で、苔や土が制服に付くことが気になったけれど、もう立つ気力が無かった。


相変わらず強い風が、とっくに涙を乾かしていた。



「……はは」


空虚な笑いがこみ上げてくる。




「……ばっかみたい、私」