「本当に、心配したのに……!!」
「……珠月」
言うつもりのなかった一言。
知らない間に喋っていた。
でも、それがきっと私の本音なのだろう。
「ごめん、ごめんな? 珠月。
今はとりあえず、コイツらの手当しなきゃいけねェから。
一回、あそこ行こう」
……あぁ、将斗が言ってた『いじめる奴も助けなきゃいけない』ってのは、こういう事だったんだ。
このメンバーで、一番怪我しているのは、いじめていた男子二人。
つまり将人は、なんとなくこうなることが初めから分かっていたんだ。
……すごいな、やっぱ二人って。
コンビネーションとか、言葉になっていない部分の通じる力とか。


