「信じらんねーな、こいつら。2対1で、しかも道具使って暴力奮ってたんだぜ。喧嘩の仕方、知らねーんだな」
そう言って倫生は、乱暴に担いでいた男子を降ろす。
地面に強くあたって、少し苦しそうな声を漏らすそいつ。
それに次いで、将人も担いでいた男子を降ろす。
どうやら、一番怪我している二人が暴力を奮っていたみたい。
そして恐らく、後ろに居る彼がいじめられていたのだろう。
頬がひどく腫れている。
「信じらんねーのはお前だ、倫生!
お前が本気で殴ったら、こいつら死ぬに決まってんだろ! 俺はお前を止めるためだけに怪我したんだぞ!」
顔の傷を見せつけるように、倫生に近づく将人。
「あんだと? 卑怯なやつらにはあんくらいやって当然だろ!
俺だって、お前さえいなければ無傷で帰って来れたんだぞ?」
いつになく喧嘩モードの二人。


