……どうか、お願い。
怪我だけはしないで……!!
「珠月ーただいまー」
ぎゅっと目を閉じていた私が耳にしたのは、あまりにも軽い倫生の声。
「は……?」
その間が抜けた声に答えるように、間抜けな顔をして前を見る。
……そこには、ほっぺに少しだけ擦り傷がある倫生と、口の端っこが少し切れている将人。
そして二人は、一人ずつ肩に人を抱えている。
こちらは二人とは打って変わってズタボロだ。
そして、見慣れない男子が二人の後ろに立っていた。
この男子も、抱えられている奴ほどではないけど、かなり怪我をしている。


