「ど、どういう……」


「いいか、危ないから、お前は絶対に来るな。あまりにも俺らが戻ってくるのが遅かったら、先生か男子誰か連れて、迎えに来い」



尋ねるのを遮る、あまりにも真剣な声。


私は静かに頷くことしか出来なかった。



私の頭を軽く一回叩いてから、倫生達の方へ走っていく将人。


陽に照らされた将人の栗色の髪が、嫌に眩しい。



……なんで……?


……なんで二人共、そんな真っ直ぐなの……?


普通の人なら、怯えて逃げるところでしょう。



……なんで、そんなに、他人のために頑張れるの……?



将人も倫生もバカじゃない。


無鉄砲に喧嘩を売りに行ったりはしない。


わかってる、わかってるけど……。