「……あれ? 珠月じゃん」


「……!!」



私たちが来た方向、つまり職員室の方から来たのは……


「将人……!」



何も状況を知らない彼は、いつものように気だるそうに笑っている。


「へぇ、珠月、俺のこと名前で呼んでくれるようになったんだ」


呼んで……くれる、って……。


倫生が言ってた通り、ってこと?


『将人もそう思ってる』って。



すごい、やっぱり二人は仲間だ。



「それは将人も……。初めて私、珠月って呼んでもらった。

 ……でも今は、それどころじゃなくて……!!」