「…………あー、ウザ」


そう小さく言って、直後にいたずらっぽく笑う倫生。


その様子に、思わず吹き出してしまう。



「おい七瀬ぇ。今注意したところだろーよォ」


ため息混じりに言う先生。


私は、笑いをこらえながら謝るので精一杯だった。



   * * *   



「いやぁ本当。面白い先生だなぁ。
 これからは数学の授業きちんと出ようかなぁ」


罰をこなして、職員室からの帰り道。


倫生があまりにも真面目な顔をしてそんなことを呟くもんだから、つい声を出して笑ってしまった。