「名前、なんだっけ? 苗字じゃなくて」 「み、珠月……」 なんでこの流れで、と思ったけれど、素直に答えた。 「みつき、だって! ぴったりじゃん!」 驚きながら、笑い合う二人。 え、ちょっと待って。 ぴったり、って何よ。 なんか、入るの決定みたいになってるけど。 私、まだやるなんて言ってない!! ……でも。 自分の鼓動が高鳴っていることに、気づいていないわけでもない。 むしろ、隠すのに必死になっている。