「……そんなこと、ない!!
夢見てる人ほどに立派な人なんていない!
夢を見ていない人が、夢を語る人を馬鹿にする資格があるわけがないじゃない!!」
一気に叫んで、我に返って二人を見る。
……引かれちゃったかな。
でも、かっこいいと思った私の気持ちまで否定されたような気がして……。
かわいそう、よりも、理不尽だ、と思って。
「……ありがとう」
心の中で必死に言い訳をしていると、返ってきたのは意外な一言だった。
顔を少し赤く染めて、小さく呟く鈴谷くん。
そんな様子を見ると、私まで恥ずかしくなってくる。
「ち、違う。そうじゃなくて……。
私、夢とかないから。だからあんなこと言える立場じゃないけど……。
ふたりが、その、羨ましくて」
慌てて弁解する私。


