彼女は簡単に賞状を投げ入れた。 炎が大きくなり、気温が増す。 「よく燃えるわね。見て、綺麗なオレンジ」 それなのに、少し微笑みながら眺める大槻さん。 「見て、じゃないよ……!」 ありえない光景と、炎のせいで、汗が流れる。 「どうしてそんなこと出来るの……!?」 焼却炉の中で、賞状はだんだん小さくなっていく。 彼女はやっと私の方を見て、笑いながら小さく答えた。 「あたしにはこんな紙切れ、なんの意味もないから」 その目には、涙が浮かんでいた。