「それは……悪かったと思う」


素直に謝る将人。


それに大槻芽奈はちょっと意外そうな目を向ける。



「……でもあれは、全力でやった結果なんだし、俺もお前の知り合いだなんて言われてるとは知らなかった。
 だから俺は、これ以上お前に謝る必要はないと思う」


相手の目を見て、はっきりと言う将人。


一瞬大槻さんが詰まる。



「……また今度、責任取ってよね」


そう言い捨てて、入ってきた時のように大きな音を立ててドアを閉めた。


廊下からパタパタと足音が聞こえる。



「……やけにプライドの高い子だな」


少し人ごとのように倫生が呟く。



「……そうだね」