1分ほどで終えた彼女。


何も言えない私たちを見て、嫌な感じに小さく笑う。



「お前の音……聞いたことがある」


小さく呟く将人。


「忘れられないでしょ」


見下して笑う大槻芽奈。



「あたしはね、今みんなから、日本一って呼ばれるの。
 先生も、誇りとプライドを忘れるなと言われるわ。

 なのに、あたしの高校のバンドがあんなのだなんて知れ渡ったたら、あたしにまで害が及ぶの。
 分かる?」


いちいち癪に障る言い方をする彼女。


でも、彼女の言うことにも一理ある。


彼女は正真正銘の日本一だから。