「あたしがあの後、どれだけ恥かかされたと思ってんの?
 しかも、勝手にあなたたちと知り合いだなんて言われて。
 冗談じゃないわよ」



私たちに身の覚えのないことばかり言ってくる。


私たちは困惑するしかない。



「……忘れたの? 先週の日曜日。
 それとも、あたしが誰か分かってない?」


先週の、日曜日って言ったら……。


ホールでライブがあった日だ。



「あ……!!」


一番に気づいたのは私だった。


多分私が一番彼女の方を見ていたから。



「……多分彼女、正解。

 あたしは大槻芽奈。
 ……分かるかしら?」