渾名というのは不思議なもので、
親しみから付けられると思っていた。


だから、嫌な渾名を付けられたとしても、
親しみをもって付けられている、
そんな気持ちで易々と許可していた。




「うち、その渾名嫌」


かつてそう言っていた人がいた。
珍しい、と思った。

自分の思っている事をはっきり言えることが。







嫌な物は嫌と、嫌な事は嫌と感じている筈なのに
相手を気にして気持ちを押し殺して、言えない自分がいたりして
違う事を思って気にしない様にしてたんだ。