「どうして下ばかり見ているの?」


一緒に彼と帰ることになった帰り道、突然言われた一言。

隣りで一緒に歩いている彼は、笑いながら前ばかりを見ている。



「分からない」


何時の間にか、本当に何時の間にかだった。

彼はそっか、と軽めに言って自分をじっと見詰める。





「何時か前を向いて歩けるようになれば良いね」