赤の贖罪





***



私たちがパソコン室に到着した時、悟くんはちょうどキーボードを叩いているところだった。


ただし、その表情はとても不満そう。



「ちょっと香椎!?アンタなに勝手に……って、どうしたのよ」



その表情には、悟くんに文句を言うと息巻いていた優香でさえ口を閉ざした。


悟くんの様子に誰もが首を傾げる中、当の本人は大きな溜め息をつくと一言呟いた。


曰く、



「……ダメだ。学校のフィルタリングに引っ掛かりやがる」


「…………どういう事?」



悟くんの言っている意味が分からなかった私は、その後ろから液晶画面を覗き込んだ。


大型の検索サイトに打ち込まれているのは『楼護村』『祟り』という二つのキーワード。


そして、検索ワードに引っ掛かった中の一つを悟くんがクリックすると……



「……ほらねー…………」



次に画面へ映ったのは、予想していたサイトなどではなく


『このホームページを開く事はできません。禁止対象:占い・超常現象』


という言葉のみ。