(あ、あれ!?さっきまでこんな人影無かったよね!?)
恐怖に凍りつく胸を押さえながら、私はその写真を凝視する。
けれど、笑うその影が動く気配はない。
(……そ、そうだよね。写真の中の物が動くわけないし、ましてや無かった物が現れるなんて事もある訳ないもん)
恐らく、その白い人影はもともと写真に映っていたのだろう。たまたま私が見落としていただけに違いない。
私はそう自分に言い聞かせると、ゆっくりと深呼吸して大きく一つ頷いた。
そして、ようやく写真から視線を逸らそうとしたその時……
ぺたっ、
という音と共に、写真に赤いものが浮かび上がった。

