赤の贖罪





「なるほど。確かにこれでは調べられないな」


「残念だったなー悟。まぁ元気だせって!な!」


「ったく、だーから言わんこっちゃない!仕方ないわね、改めて何か案を出すわよ」



事態を把握したらしい5班のメンバーは、落ち込む悟くんを労いながら新しい案の検討を始めた。


やれ食べ物はどうだ、やれ特産品はどうだと議論が盛り上がる中、なんとなく気になった私はコンピュータの画面へ視線を向ける。



「ろうご、むら……?」



そこに書かれているのは、一度も聞いた事がないはずの村の名前。


なのに、不思議と心に引っかかって……気付けば私は、検索ワードを『楼護村』のみにして再び検索をかけていた。


今度はフィルタリングにも引っかからず、すんなりと検索結果が画面に表示される。


すると、



「…………お」



その中の一つ、楼護村を紹介しているサイトを開く事ができた。


どうやら個人で開いているブログらしく、ところどころに配置されているオリジナルキャラクターが可愛らしい。


それに和みながら、肝心の記事へ目を通す。



「えぇと、なになに……?」



――記事によると、楼護村というのは住民30人程の小さな村。


『龍の護る村』という意味の『りゅうごむら』が訛り、いつしか『ろうごむら』と呼ばれるようになったのだとか。