「嬉喜、こっち向いて?」 友希にそう諭されるが、私は首を小さく横にふる。 私のその様子を見てか、勇気が小さく溜息をついて話し始める。 「嬉喜、今から友心が運ばれた病院に行く。」 その言葉につい顔をあげてしまう。 友希と視線が重なる。 「嬉喜も行く?」 …行きたい。 けど… 「友心の状態は、どんな感じ…?」 それが怖くてすぐに返事はできなかった。