「お、お兄ちゃん~~~!?って、そ の・・・本当の兄なのか?」

「はひ?本当じゃないお兄ちゃんってい るんですか?」

「あ、いや・・・。お前に兄なんかいた のか?聞いてないぞ!」

「?当主様にも律さんにもちゃんとお伝 えしてありますが。琥珀様はお聞きに なっていなかったのですか?」

あ。
そういえばコイツが来る時に身上について書かれた資料を律にもらってたっけ。
あの時はどうでもいいと思って机の中に しまい込んでそのまま忘れてた。
あれに書いてあったのか。
あれはどこにしまった?
たしか、この辺りに・・・くそっ、暗く て見にくいな。
急に見にくくなった。

「愛裕、すまない。
やっぱり灯りをつけてくれ」

「はい、琥珀様」

パチッ。

「これでよろしいでしょうか。琥珀様。 ・・・?琥珀様、手から血が!」

「ん?あぁ、これか。
さっきちょっとな」

「大変!すぐに手当てをしませんと。
今、救急セットをもってきますね!
待っていてください」

そう言って愛裕は部屋を出ていこうとした。しかし、琥珀が呼び止める。