「唯ぃ」

「なぁに」






「ちょっとあの店よらねぇ?」

「寄らない」







「つれないな」

「さっきご飯食べたトコでしょうが」






「燃費悪いの、俺は」

「お金払うの誰だと思ってるの」






「いや、俺お金持ってないし」

「知ってる。さっきもあたし払ったし」






「ちょ、待てって!頼むよォ!」

「ダメ。さっさと帰ってドラマ見ないと」






「唯ぃ~、唯サマ!お願いします!」

「ダメったらダメ。そもそもあたしももう手持ちないから」








「なにぃ!?」

「さっきのご飯代と雑誌と参考書で、ほぼ所持金ゼロ」







「なんでやねん……お前もっと計画的にお金使った方がいいぞ」

「あんたの食費が浮けば何の問題もないんですけど」






「そ!それは言わない約束だろーが!」

「あー、ハイハイ。ほら、帰るよ」






「クソ…ヤベェ、腹へって死にそう……」











「……もう死んでるクセに」