展望台この先500メートル


古い道標をちらりと確認した俺は自転車をこいだ


辺りはまだ明るいものの、展望台に向かうに従い周りには木が多くなる

夕焼けの光が入らなくなった薄暗い道をしばらくこいだ俺は自転車をとめる




「ついた……」




斜面に建てられた閉館したプラネタリウム

そこには木でつくられた階段があり、そこを上がると展望台がある



タン、タン、タン……


木の階段を上がると、そこは街を一望できる絶景が広がっていた






「すげえ……」


思わず出た言葉

紫がかった空と建物の明かり
その先には空の色にそまった海



俺は柵に乗り出すようにしてその景色を目に焼き付けた