「お願い田中……悠里のこと、あんたなら任せられる気がする……っ
ずっと田中が悠里に話しかけてるのみてたから……

悠里を助けてあげて……」





氷の破片が突き刺さったような気分だった

牧野や平山はずっとこんな気持ちを抱え込んできたんだ……



「悠里はみんなを遠ざけたの……
近づかないで。私はもう誰とも関わりたくないって……

悠里は誰にも理解できないくらい苦しんでる……
だけどこれ以上悠里が壊れていくのを……あたしは黙ってみてるなんてできないよ……っ」




展望台で平山が言っていた言葉がよみがえる



大好きだった人に裏切られ、恨まれ、平山は飲み込まれていった





…………憎しみこそ生き甲斐


大好きな人を憎しむことで記憶を焼き付けていく

忘れられない記憶として……