遥との日々

見慣れない少女が

微笑みながらこちらを見ていた。




真っ直ぐな肘あたりまである長い黒髪、

赤と白のセーラーに

ベージュのカーディガンを羽織っている。


顔は誰が見ても整っている

と言えるだろう。



全てまとめると撫子というイメージだ。



年は俺と同じ、15歳と言ったところか。



こんな美少女が何の用だろうか。


すると少女は微笑んだまま

「こんにちは!」

と挨拶してきた。



「…はあ、こんにちは。」



元気な子だな…




また少女は口を開く。



「あなた、名前なんていうの?」



「名前?辻原 樹だけど…」


俺の名前を聞いて少女は目を輝かせた。



「へ~、辻原 樹くんね!」

少女はうんうんと

笑顔でうなづいている。




「君の名前は?」



名前を聞かれたからには

こちらも聞いておきたい。




「ん~と…」



少女は少し悩んでいた。

どうして悩む必要があるんだ?


「緋ノ宮 遥(ひのみや はる)。」




緋ノ宮?どこかで聞いたような…。

まあいいか。



「そうなんだ」

言ったあとに我ながら

そっけない返事だなと思った。




「・・・」




少し沈黙が続いた。


そしてその沈黙を

緋ノ宮 遥が破った。




緋ノ宮 遥は思い立ったように

その場に立ち上がった。