遥との日々



「え、人が来なくていわくつきなのに

潰れたりはしないんですか?」


そう言いきって失礼なことを言ったと

思い俺は口を片手で覆う。




「潰させはしないさ」


本殿の奥を眺めながら


続けて神主さんは言う。



「帰る場所を、住む場所を

無くすわけには行かない。」





神主さんにはどうやら
ここが大切らしい。






どうりで綺麗な神社だと思った。


俺はその執念に圧倒されて

何も言えずに突っ立っていた。




そんな俺に気づいた神主さんは


焦ったように


「ささ、早く中を見ましょう。」
と言った。





神主さんの後を続いて中へと入る。




中の壁には日本の象徴となるような

絵が所々に描いてあった。


提灯が吊り下げてあったり、

幕があったり…

中央奥にはまた

小さな神社のようなものがあり、

手前にお供え物が置いてあった。







そんな風にして辺りを見回していると

ふと、ある掛け軸が目に入った。