教室はやたら騒がしい。


みんな友達作りに必死だ。


ろくに連絡もしないくせに

メアドを交換し合ったり、

お互いに世辞を言い合って。


いずれ無駄だとわかるのに。


「樹、席ここみたいだぞー。」


「あ、ああ。ありがとう。」


「入学式めんどいよなあ。」


「そうだな。」


教室の騒がしさは止む気配はない。

むしろもっと騒がしくなった気がする。


気がつけば綾平も

女子と話し込んでいた。



とっとと入学式終わらせて帰りたい。


あ、そういえば遥と約束してたな…。



今日は学校がどうだったかお互いに

報告しあいたいとか言ってたような…。


遥は今どうしてるんだろう。


あいつならきっと一日で友達が

たくさんできるな。



「おい、樹。」


「ん?」


「ん?じゃない!

何回呼んだと思ってんだよ~。」


「ごめん考え事してたわ。」


「へー、どんな?」