遥との日々

そして家を出る時、母は俺たちを

愛おしそうな顔で見送る。


これは勝手な憶測だけど、


きっと母は年に10日くらいしか


帰って来れない親父に似た

俺たちを見て親父を思い出している。


いつも帰ってきてはすぐ行ってしまう


親父の姿と重なるんだろう。

そんなこんなで環に車でバス停まで


送って貰う。


「頑張って彼女作れよ高校生。」


環が車から言った。


「俺の心配より

自分の心配したら?」


「うっ、馬鹿。傷を抉るな!」


「うるさい、じゃあ行くから。」


「はいはい、いってら。」


なんだかんだで笑顔で手を振る環。

環は切り替えが早い。

教師にでもなればいいのに。


環がバス停から居なくなり


高校へと向かうバスが着た。