「ねえ、早く…早くしないと

ここもすぐに見つかっちゃうから…。」


少女が急かす。


すると…


「みんな！滝の裏だ！

きっとあそこに居るぞ！」


どうやら大人たちが来てしまったらしい。


もう逃げられない。


「ど、どうしよう。これじゃ貴方が！」


「大丈夫だよ、

俺のことは心配しなくていい。」


少女を守らないといけない気がした。


「俺が大人たちのところへ行くから

君はその内に別の場所へ逃げて。」


「で、でも貴方は？」


「心配しなくていいって言ったろ？」


「う、うん…。」


「じゃあ、行くよ。」


「うん、さよ…なら…。」


「さよならじゃないよ。」


そう言って俺は洞窟から出て歩いて

大人たちのところへ行く。


「坊や、あの子を見なかったかい？」


「いえ、見てません。

どうやらこの森にはいないようで。」


「そうかい。おい、皆。

もう一度村全体を探すよ！」



大人たちはまた森の外へと消えていった。






そして景色が変わった。


今度はなんだ？


さっきと同じようにセピアで。

周りの人は着物を着ていた。