遥との日々

学校に着いた俺は

人が群がる方向へ歩く。


人が多いところは苦手だ。

出来ればその場で喜んでないで

ちょっと離れて騒いで欲しいところだ。


「たーつきっ」


あ、この高い男の声。


呼ばれた方へと視線を移すと

綾平が手を振ってこちらを見ていた。


「久しぶり、綾平。」


「おひさー!」


「綾平どうだった?」


「受かってた!

あ、樹も受かってたよ!」


…そういうの、本人が確認する前に

言うなよ。喜びが半減する。


「あれ、樹嬉しくないの?」


「綾平のせいでな。」


「あれれ?」


まあいいか。

大体合格できるだろ、こんな高校。


「何がともあれ

これからよろしく、綾平。」


「おう、よろしくなー。」


そう言いながら綾平は周りを見渡す。


「どうした?」


「いやー、可愛い子居ないかなって。」


探さなくても綾平なら

寄ってくんじゃねーの。


なんて言おう思ったが

なんとなくやめた。