女子達はみんな同じ

制服を着ていた。



多分同じ学校なんだろう。



実は俺の学校からは

俺一人だけがこの高校を受ける。


先輩は2、3人居るが、

あとは全員初対面だ。



気にせず試験の教室へと向かおうと

足を動かした俺に


さっきの集団の一人が近寄ってきた。


「ねえ、君どこ中?」


「奏端(かなはた)中だけど…。」


初対面なのに挨拶も無しか。


というかそれを聞いて

どうするつもりだ?


「へー!奏端かあ、サッカー部が

強いとこだよね!」


「うん、まあね。」


「うちら、和汰(やわた)中

なんだけど。知ってる?」


「バトミントンが強いんだっけ?」

「そーなの!うち、

バトミントン部なんだよね〜!」


うわ、どうでもいい。

なんか長くなりそうだ。

適当に区切ってさっさと行こう。


「へー、すごいね。

…ああ、そろそろ勉強もしたいし

俺はこの辺で。それじゃ。」



そう言って

足早に移動する。


後ろから

さっきの女子の集団が

「名前聞けなかったね」

と口々に話していた。