遥と別れた俺は受験する

尚乃(たかの)高校の前に居た。



周りにはチャラけた奴ばかり、



受験のくせして制服を

着崩し、髪は明るい色に

染まっている。


俺はというと学ランを

正しく着こなしているし、

髪は焦げ茶色だが

染めたわけではない。



これが普通なんだ。



そう自分に言い聞かせる。


というか、

そもそもこの高校は

そんな厳しくない。


勉強がそこそこ出来れば

入れるというところだ。


学校の中へと足を運ぶ、

下駄箱で靴を履き替える。


試験がある教室へ行かないと…


ふっと視線を靴から

前に向ける。



目線の先で女子の集団が

こちらをチラチラ見ながら

何かを話しているようだ。