でも先生は何も見てない振りをして。
他のみんなも同様。
その中をキツネちゃんは堂々と歩いて窓際の席、私の横に座った。
先生が黒板に書いてる隙に、
「ねえ、キツネちゃん」
私がおそるおそる声をかけた。
ずっと窓の外を見ていた
キツネちゃんが私の方に向いた。
なんか、
キツネちゃんって美人そう。
仮面を取ったら美人さん、みたいな。
なんで仮面を被ってるのかな?
顔に傷痕があるから、とか?
それとも、
あまりにも美人だから、とか?
疑問が頭の中を占めていく。
それに。
私の周りの人達って
顔が整ってる人ばかりなんだよね。
、、、私だけ、顔が崩れてるし。
まあ、とにかく。
私が自然と話をできるキツネちゃんも
きっと美人なんだろうな。
「なーに?」
あ、
キツネちゃんと話してた最中だった!
すっかり忘れてた。
ああ、自分から話しかけたのに。
てか、キツネちゃん、声まで綺麗だよ。
もう、神様は不公平だ。
「えっと、これありがとう!」
頭の中で考えていた事を表に出さないように話す。

