「情報とか、さ」
彼らはよく私に、キツネちゃんの情報を聞いていた。
彼らの仲間としてではなく、
キツネちゃんの友達として。
まあ、大した情報ではなかったけど。
黙ってしまった彼と静かに歩いているとスーパーに着いた。
「一緒に入る?それともここで待つ?」
彼も一人で考えたい事とかあるだろう。
そう思って言ったのに、
「一緒に入る」
予想外な答えが返ってきた。
「へ?」
「ほら行くぞ」
入り口にあるカゴを片手に中に進む彼はお世辞にも似合ってなかった。
「はぁ」
そんな彼の背中を追いかけて私も中に入った。

