「だからといってあいつらを利用してんじゃねぇーよ」
啄くんに睨まれて思わず目を逸らす。
利用という言葉はある意味図星だ。
高校時代で寂しくないために。
一人でいたくないがために。
私は彼らを利用しているのだろう。
「確かに私は利用してるかもね」
そう言うと啄くんは私を嘲笑う。
やっぱりそうか、と。
酷いやつだな、と。
でも言われっぱなしの私ではない。
「だからあなた達も利用していいよ」
目を見開く彼を見ながら話す。
「それなら文句もないでしょ?」
「てめぇ、」
「それとも、」
彼の目には怒りが見える。
それは自分を利用した私に、ではなく。
仲間を利用された、怒り。
「謝れとか、言うつもり?」
別に開き直った訳ではない。
だって世の中、そういう世界だ。
今更、私に謝罪を求めてどうするのか。
「てめぇ」
「それに。あなた達もある意味利用していたじゃない」
「は?」
「キツネちゃん」

