「じゃあ、真也の席あそこな!」

先生の声で、ハッと我にかえる。
先生が指したのは、1番後ろの廊下側。


座ってみると、
私の席と、たつろうの席だけが後ろに飛び出してて、
私の席から、たつろうの様子がよく見えた。


たつろうは、またすやすや眠っていた。


こんな時間からよく眠れるな・・・。





ただ、一緒のクラスの男子。
いつも眠っている、ちょっと変わったクラスメート。



このときの私にとっては、
たつろうは、たったこれだけの存在だった。