男性恐怖症って…
頭の中が真っ白だ。
「いきなり無理矢理やられたからでしょうね…」
…そんな。
真っ先に頭の中に浮かんだのは
君人の顔だった。
「…っ!!」
私は見たくないものを見てしまったように、頭の中から消してしまいたくなるほどの拒絶反応をおこした。
「ちょっと…大丈夫?
なにか思い出したの?」
保健の先生が心配そうにそう言って、
それから私のことを抱きしめて
「大丈夫、大丈夫だからね」
と撫でてくれた。
高校生になって情けないと思う。
でも…
そっか。
私男性恐怖症って病気になっちゃったんだ。
「あなたが意識を失っている間に
病院に連れて行ったのだけど
症状もでないからお医者さんわかんないんですって。とりあえず学校は男の子いるから落ち着くまで自宅にいるしかないわね…」
「はい…」

