恋愛のやり直し方

「森嶋さん、名前は?」


いつの間にか私と友田の間には、30センチ定規が入らない距離しかなかった。




「友田さん?あの、近いです」



一歩後ずさると、また一歩詰められる。
ジリジリと壁際まで追い詰められる。






「友田先生!それ以上口説いても綾は落ちないですよ?」



窮地の私を掬ってくれたのは、打ち合わせの電話を終えてリビングに戻って来た真理子だった





「え?俺口説いてる?冗談やめてよ坂下さん。俺、枯れてる女に手を出すほど不自由してないよ」



「だから安心して」と耳元に息がかかるくらいの距離で囁いた。






あまりの衝撃に、膝から崩れ落ちそうになる。
だけど、寸前で私のプライドがそれを堪えた。



クスリと笑いながら再びソファーに戻る友田の背中をキッと睨みつける。