瞬間、真っ赤な顔をして大声を張り上げた綾。




「ばっ馬鹿なこと言わないでください」





ほらな。
俺、お前を怒らせたいわけじゃないのに




原稿なら女が喜びそうな言葉がスラスラ出てくるっていうのに。






俺、バカだよな。
その力をなんで好きな女に発揮できないんだっつうの。



呆れて笑える。





だからこうして、言葉でちゃんと伝えられない俺って人間は、お前に触れることで伝えることしかできない。





少し離れた綾の身体を再びこの腕に閉じ込めた。






俺の身体から綾が感じてくれればいいなんて独りよがりもいいとこなんだけど……






そんな俺のバカな態度にも、綾、お前ってヤツはちゃんと許して受け入れてくれる。





綾……お前ってどこまでいい女なんだよ。





俺、お前の意思を全く無視してお前をこの腕の中に閉じ込めておきたくなった。
だから綾、覚悟して。



もう、離してやれないから。