恋愛のやり直し方

まぁ、そんな広い心を持てるようになったのも綾のおかげ。


綾、お前って存在がどれだけ俺のそれまでの日常や常識や人格を変えてるなんて聞いたら驚くんだろうな。




あぁ、この期に及んでまだお前のことが好きになる。



お前とフツーに作家とアシスタントの関係に戻れんのかな俺。





はぁーと柄にもない大きなため息が出る。



真夜中だというのに、煌々と眩しく光マンション。

考えたこともなかったけど、この時間にこんなに明るくする必要あんのかよ?



やさぐれた俺の心に眩しく光る灯りが痛かった。


情けないほど萎れた心を引きずって眩しいマンションの中へ入る。


チラッとコンシェルジュデスクに人がいるのは分かったけど、この状態で真っ正面から挨拶なんてする気もおこらず、ペコんと頭を下げて通りすぎる。



なのに、視界の端にコチラヘ向かってくる影か見えた。



「アンタ、こんな時にどこ行ってんだよ」