恋愛のやり直し方

彼女にそんな卑怯な手を使わせたのは、俺だったんだ。



里美の親は代々代議士の家だった。


彼女は一人娘だったから、両親は婿にその確固たる地盤を継がせたかったらしい。



だけど、よくある反抗心から里美は俺と付き合った。


もちろん俺が代議士ってタマじゃないのは、彼女が一番分かってのこと。


両親の反対も里美の反抗心に火をつけたのだと思う。


だけど、里美は段々と反抗することにも飽きてきたんだと思う。

結局、彼女は両親のお眼鏡に合う男との将来をアッサリと選んだ。




だけど、最後の記念に劇的な俺との結末を用意したんだ。



俺に恨みを持つ人間の反抗に見せかけて、自作自演の派手な演出。


なにも知らなかった俺は、責任を感じて彼女の一生を背負っていこうって決心までしたっていうのに。




正直、騙されたと気が付いたときには、里美を恨んだ。


だけど、今となっては、ドラマの主役並みに波瀾万丈な生活をしたかつた彼女の願いを叶えてやれなかった俺にも責任があったかもしれないと
まで思えるようになった。