恋愛のやり直し方

こんな気分は酒でもなまないと紛れない。



だけど、綾を追いかけることに必死で、何も持たずに出てきてしまった。

いい歳して、あてもなくブラブラと歩くだけ





何やってんだ俺。







どの位そうして歩いていただろう。
身体は芯から冷えて、手足の先には感覚も無かった。




このまま風邪でも引いて、一人あの部屋で苦しむなんて惨めもいいところだなと、帰ることにした。







もしもまだ里美がいたなら、今度こそ自分の手で追い払おう。



里美に1ミリも気持ちが無い今、俺はどこまでも非常になれる。
それは、ある意味里美の自業自得でもあるのだから。






だけど、できれば里美を傷つけたくはない。
それは、俺の少し残った彼女への贖罪の思い。




里美と別れた理由だった。





彼女と別れた当初は、その理由を里美の裏切りだと思ってた。
だから、なぜと何度も自問自答したし、彼女を責めることもした。



だけど、今なら分かる。