ズッシリと重たくなった体は、そこから暫く動くことができなかった。
まるで足ごとそこに埋まってしまうんじゃないかとさえ思えるほど
見たくもないのに、俺の目はさっき綾が消えていったあのドアに縫い付けられたように反らすことができなかった。
「あや………」
口から漏れた声がやけに情けなかった。
そのまま家に戻る気にはなれない。
このままだと俺が、里美に酷くあたってしまいそうだ。
体にムチうって、なんとかその場から立ち去る。
外の冷たい空気が刺すように痛い。
痛いのは体か心かなんて柄にもないことを考えてる自分が女々しすぎて笑える。
こんなの俺じゃない。
何かを諦めることなんて、息をするより簡単に出来てたじゃないか。
いつまでも脳裏にから離れないお前の顔。
今は苦痛にしかならないお前の顔。
なのに、頭から消し去ることをどこかで拒んでる。
まるで足ごとそこに埋まってしまうんじゃないかとさえ思えるほど
見たくもないのに、俺の目はさっき綾が消えていったあのドアに縫い付けられたように反らすことができなかった。
「あや………」
口から漏れた声がやけに情けなかった。
そのまま家に戻る気にはなれない。
このままだと俺が、里美に酷くあたってしまいそうだ。
体にムチうって、なんとかその場から立ち去る。
外の冷たい空気が刺すように痛い。
痛いのは体か心かなんて柄にもないことを考えてる自分が女々しすぎて笑える。
こんなの俺じゃない。
何かを諦めることなんて、息をするより簡単に出来てたじゃないか。
いつまでも脳裏にから離れないお前の顔。
今は苦痛にしかならないお前の顔。
なのに、頭から消し去ることをどこかで拒んでる。

