私から見えない位置にある。

だけど、それはきっと立花さんの『しるし』





あぁ、こんな時に私って……
言い訳のしようもない事実が蘇ってくる。




「綾。今、他の男のことなんて思い出すな」



そう言ってムニっと頬を抓り上げられる。




「痛いっ」





「今のはお前が悪い。これがいつ、誰に付けられたかは知らないし、知りたくもないから聞かないけど、俺の目の前で他の男のことを考えるのは許さない」




ごもっとも。




「ごめん―――」




『ごめんなさい』という言葉は、最後まで聞いてもらえず、唇は塞がれた。





さっきよりも強引に、深くなる。

徐々に頭の中にあったもの全てが薄れていく。



そして、身体に触れるものすべてに神経が集中する。