恋愛のやり直し方

苦しくなる胸を押さえ、エントランスに着くとコンシェルジュデスクに立花さんはいなかった。



素直にホッとする。
立花さんのことだから、今の私の顔を見ればどんなに上手な嘘をついても見透かされる。


そして、傷口をさらけ出すように核心をついた質問をしてくるに違いなかった。



だから、その位置に誰もいなかったことに心底安心したのだ。





なのに――




「あのぉ。森嶋さんでしたよね」




背後からかけられたか細い声。
振り向かなくったって分かる記憶にい新しいその声。





あぁ、今日はなんて日なんだろう。


絶望にも近い。





ゆっくりと振り向くと、愛らしい目がこちらを向いている。
か弱そうに見えて、その奥には揺らがない決心がみなぎる瞳。