恋愛のやり直し方

ふと目に入るゴミ箱の中の『はさみ』



私に向けられた敵意のそれを眺めながら





「いいわ。とりあえずやってみる。だけど、あんまり期待しないで?」



承諾していた。




仕事がしたくなったわけじゃない。
だけど、どこかでこのままじゃいけないって思っている自分もいた。





『了解!じゃあ、とりあえず来週からでどお?』

「分かった。ねぇ、でもどうして私なの?家政婦ならプロがいるじゃない。それに、アシスタントなら私よりも優秀な人がいるでしょ?」







受話器の向こうで息をのむ声がした。






「えっ?何?なんかあるの?」



『無いわよ。ないない。売れっ子小説家だからいろんな人を出入りさせたくないの。それに、かなりイケメンだから色恋沙汰にでも発展されると困るの。

その点に関しては、アンタ色恋にもっとも遠い所にいるから安心だし……それに」


「それに?」



『………アンタが心配なの。いい加減アノ優柔不断男と切れてもらいたいの!』




そこまで言ってプツっと電話は切れた。
きっと真理子の照れ隠し。