恋愛のやり直し方

しばらく沈黙を保つ。




すると、立花さんの顔がふわり優しいものに変わる。



きっと『傷』と折り合いを付けたんだと思う。






「綾、ありがとう」


「いえ…何もしてないですよ。それより、種明かししてもらえませんか?『コーディネーター』の件」



わざと、話題を反らした。
それ以上黙っていれば立花さんは、傷を、私に話さなくてはいけなくなってしまうから。




「ふっ。綾がますます分からないよ。しっかりしてるのか、抜けてるのか」



「立花さん、それ答えになってませんよ」



「はいはい。今日は綾には敵わなそうだから、ネタバラしの時間にしましょうか。
話すより見た方が早いよ。そろそろいい時間だから行こう」



スクッと立ち上がった立花さん。
そのまま出口へと向かって歩いていく。


「立花さん!お会計!」



慌てる私に傍にいた女将さんがクスリと、笑った。





「いいんですよ。立花さまへは後程お会社へ直接ご請求致しますから」



「…………あ、そうなんですか」



「またお越しくださいね」


にこやかに送り出された。