恋愛のやり直し方

まるでこの世の中すべてがスロー再生されているんじゃないかと思わせるその行為に、このまま時間が止まってしまえばいいと思ってしまった。




「フッ。そんな顔して誘ってるの?」





鎖骨が急に涼しくなると同時に、頭上からそんな言葉が降って来た。





「そっ……そんなコトーー」




「嘘。ごめん。とりあえず消毒完了。こんな傷つくまで擦ったって無駄なの。こういうのは、新しい記憶で上塗りしないとダメでしょ」




ペチンと額を叩かれる。




「痛っ」



額に手をあてギッと友田の顔を見る。





「さ、帰るよ」




ポンと私の肩を叩いて先に部屋を出ようとする友田。
その背中をボーッと見つめながら、それとは逆に生々しく残る首筋の感触。



そこがやけに熱く感じるとか……
――はしたない



カァーっと赤くなる顔に、ヘナヘナと足から崩れ落ちる身体。





そんな私をチラリと横目で見て。フッと笑う友田。




「その顔……随分感じてくれたってこと?消毒できたってことかな」




イタズラっぽく言い残して部屋を出る友田の背中。
その余裕に返す術のない私がくやしくて、思わずその背中に向けて大きく「バカぁー!」と叫んだ。